前回、XF35mmF1.4 RをSIGMA 30mm F1.4 DC DNへ入れ替えるかを検討し、描写や機能を考慮して結局入れ替えませんでした。

引き続き、今回は中望遠単焦点レンズのXF56mmF1.2 R APDをSIGMA 56mm F1.4 DC DNに入れ替えるかを検討してみます。

FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN

外観、大きさの違い

XF56mmF1.2 R APDは、F1.2の大口径中望遠レンズとしてはコンパクトだと思います。ただ、SIGMA 56mm F1.4 DC DNは、それよりさらに小さいレンズです。

絞りリングを含めてオール金属製のXF56mmF1.2 R APDが重さ405g。ゴム製ピントリング、一部樹脂外装のSIGMA 56mm F1.4 DC DNはわずか280gで非常に軽量です。

また、簡易タイプですが、SIGMA 56mm F1.4 DC DNの方には防塵防滴機能があります。

絞りリングがあり造りが良いけど大きく重いXF56mmF1.2 R APDと、シンプルモダンで軽量コンパクトなSIGMA 56mm F1.4 DC DN。

外観の好みは、レトロ感のあるFUJIFILMミラーレスカメラに似合うXF56mmF1.2 R APDです。

XF56mmF1.2 R APD(左)とSIGMA 56mm F1.4 DC DNの外観比較
XF56mmF1.2 R APD(左)とSIGMA 56mm F1.4 DC DNの外観比較
XF56mmF1.2 R APD(左)とSIGMA 56mm F1.4 DC DNの外観比較
XF56mmF1.2 R APD=直径73.2x長さ69.7mm
SIGMA 56mm F1.4 DC DN=直径66.5x長さ59.8mm

描写の傾向

次は描写を見ていきましょう。
それぞれのレンズの開放F値で撮ってみました。

FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD 開放F値(F1.2)の描写
FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD 開放F値(F1.2)の描写
SIGMA 56mm F1.4 DC DN 開放F値(F1.4)の描写
SIGMA 56mm F1.4 DC DN 開放F値(F1.4)の描写

ちょっと構図が変わっちゃっているのはアレですが、ピント面(狛犬の右目あたり)はいずれのレンズも良好な解像感だと思います。

厳密に言えばSIGMAの方が甘いです。
シャキッとシャープなXF56mmと比べると、SIGMA 56mm F1.4は、少し眠い印象があります。
ただ、作品撮りではない通常の撮影なら、十分許容できる範囲だと思います。

最も違いがあるのは点光源の描写です。

XF56mmF1.2 R APDにはAPDフィルターが入っており、ボケの輪郭が滲んでとてもやわらかい表現になっています。このレンズの最大の特長で、唯一無二のレンズだと言えます。

SIGMA 56mm F1.4 DC DNの方は一般的な玉ボケですが、きれいだと思います。(ただし、前ボケはやや硬いという情報もあります。)

ボケのディテールが大きく違いますが、ボケ感そのものに大きな不満はありません。

最大撮影倍率

SIGMA 56mm F1.4 DC DNの最短撮影距離は50cmで最大撮影倍率は0.135倍(1:7.4)です。XF56mmF1.2 R APDが、最短撮影距離70cm、最大撮影倍率0.09倍なので、かなり寄れるレンズで、テーブルフォトでも使えそうです。

XF56mmF1.2 R APDでは、寄れないことに不満を感じていたので、SIGMA 56mm F1.4 DC DNの近接撮影能力には大いに満足しています。

XF56mmF1.2 R APD 最短撮影距離70cmで撮影
XF56mmF1.2 R APD 最短撮影距離70cmで撮影
SIGMA 56mm F1.4 DC DN 最短撮影距離50cmで撮影
SIGMA 56mm F1.4 DC DN 最短撮影距離50cmで撮影

AF性能

XF56mmF1.2 R APDの一番のネックがAF性能です。

第4世代以降のXマウントカメラで明るい日中屋外であれば、きびきびと動くAFですが、薄暗い夕方以降になると途端に合焦しづらくなります。

APDフィルターの特性で、位相差AFが使えずコントラストAFのみであることが原因だと思いますが、MFでピントを合わせた方が速いくらいです。

対するSIGMA 56mm F1.4 DC DNは、やや薄暗い状況でも的確に合焦し、ストレスをあまり感じません。

AF-Cでの運用もスムーズで、確実にXF56mmF1.2 R APDよりもAF性能は高いと言えます。(フォーカスブリージングが発生しますが、私は動画をほとんど撮らないので、この点は問題になりません。)

ただし、SIGMA 56mm F1.4 DC DNは、絞り羽根の動作がやや遅く、絞りが変化した際に露出が安定しない問題を抱えています。

シャッター速度をAUTOにしていると、明るさに応じて絶えず絞り羽根が動くため、シャッター半押しを解除するたびに画面がちらつき不快です。

この現象は、18-50mm F2.8 DC DNでも発生していたので、FUJIFILMのAF機構との調整がうまくできていないのだと思われます。

SIGMAのサポートに連絡して確認してみましたが、この現象はメーカーも確認しており、今後ファームアップで対処していく予定があるようです。

SIGMA 56mm F1.4 DC DNに入れ替えることにします

XF56mmF1.2 R APDのボケの美しさは唯一無二で、非常に捨てがたいのですが、AF性能が悪いことが大きなマイナスポイントになってしまいました。

また、SIGMA 56mm F1.4 DC DNは新品でも4万円半ばと格安。
XF56mmF1.2 R APDは、中古でも8~10万円。売却して差額を得れば、他のレンズに資金を回せます。

これらを総合的に考えて、SIGMA 56mm F1.4 DC DNを手元に残すことにしました。

かなり惚れ込んでいたレンズなので残念ですが、使い勝手を優先することにします。

FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD
FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD

SIGMA 56mm F1.4 DC DN 作例

FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
56mm, F1.4, 1/160s, ISO160, Classic Neg.
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
56mm, F1.4, 1/800s, ISO160, Classic Neg.
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
56mm, F1.4, 1/20000s, ISO160, Velvia
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
56mm, F4, 1/1600s, ISO160, Velvia
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
FUJIFILM X-T4 + SIGMA 56mm F1.4 DC DN
56mm, F1.4, 1/500s, ISO160, Provia

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