マイクロフォーサーズの標準単焦点レンズとして、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは素晴らしい選択肢ですが、その一方で大きさと重さが少なからずハンデとなることは否めません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは大きく重い
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは大きく重い

以前はフルサイズEマウントのPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA(778g)を使っていたため、410gのM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROの軽量さとコンパクトなサイズは、それほど問題視していなかったのです。しかし、最近はスナップ写真がメインとなり、思いの外、このレンズを持ち歩くことが煩わしく感じられるようになりました。

特にスナップ撮影では、開放F値よりもF2.8~5.6に絞って撮影することが多いため、高価なM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROを持ち出しても、F1.2での使いどころが限られてしまいもったない気がします。これならばもっと手軽で経済的なレンズで十分なのではないかと考えるようになりました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROからLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIへ

そこで、より軽量で経済的なLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIを入手しました。

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II

このレンズについて、前もって調査した際に浮かび上がった問題点は以下の通りです。

  • 開放時に周辺の解像度が著しく低下すること
  • 軸上色収差が発生しやすいこと
  • フードが大きく逆付けできないこと

これらのポイントについて、実際に使用してみた印象を共有いたします。

開放時に周辺の解像度が著しく低下する

レンズの最も重要な性能は描写力であり、このデメリットが最も大きな問題となります。

基本的にスナップで絞って使用することが多いので、個人的にはそれほど気になりませんでした。

時折、ボケを活かした表現が必要な場面もありますが、その際は中央部にピントを合わせるよう心掛けました。

もし画面の端にフォーカスを当てたい場合は、F2.8まで絞り込みます。F2.8まで絞ると、周辺解像度がM.ZUIKO 25mm F1.2 PROよりも向上するため、被写体や背景との距離を工夫してボケを演出するようにしています。

軸上色収差が発生しやすい

かつてSIGMA 30mm F1.4 DC DNを使用した際、そのレンズは非常にパープルフリンジが顕著で致命的であった経験があります。

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIは、若干改善されているものの、同様に目立つフリンジが現れます。この点において、M.ZUIKO 25mm F1.2 PROは軸上色収差がうまく抑えられ、周辺解像度が高いため、開放からでも使いやすいレンズです。

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIでは、特にコントラストの強い状況下ではF4でも色付きが残り、色収差を完全に封じるのが難しいことがあります。私はRAW現像で補正を行っていますが、補正にも限界があります。その結果、開放よりも少し絞ったF1.8やF2.0で撮影する機会が増えました。

盛大に発生する軸上色収差
盛大に発生する軸上色収差
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F1.4, 1/1000s, ISO 160

フードが大きく逆付けできない

フードの形状により収納時に逆に装着できないのは不便です。しかも、コンパクトなレンズ本体に比べて相当に大きいサイズです。

しかし、そもそも使っていたレンズが、M.ZUIKO 25mm F1.2 PROなので、これは何とかなりました。

実際、フードを装着したままでも、M.ZUIKO 25mm F1.2 PROのフードなしの状態よりも小さかったのです。

よりコンパクトなMACRO-ELMARIT 45mm F2.8用の純正フードが取り付け可能なので、購入したのですが、フードの効果が発揮されない可能性が大きいため、結局使いませんでした。

上記のデメリットを補って余りあるメリット

ここまで、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIのデメリットを挙げましたが、このレンズにはそれを補って余りある多くのメリットが存在します。

まず、その最たるものが描写性能と価格のバランスです。

標準単焦点として、M.ZUIKO 25mm F1.2 PROに次ぐF1.4の明るさを誇り、F2.8~8.0の範囲では画面全体においてM.ZUIKO 25mm F1.2 PROと同等かそれ以上の解像力を提供します。絞り開放時も、特に中央部においてはM.ZUIKO 25mm F1.2 PROを上回り、中央に被写体を配置して周辺をぼかす、いわゆる日の丸構図の場合には大きなメリットがあります。

これに加えて、価格が半分以下であるため、絞って使用する頻度が高いほど、このレンズの利点がより際立ちます。軽量かつ非常にコンパクトな200gのレンズ(対照的に、M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROは410g)なので、持ち出しも非常に手軽です。

総じて、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 IIはマイクロフォーサーズの利点である軽量・コンパクトなコンセプトに完璧に合致していると言えます。

E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F2.0, 1/6400s, ISO 200
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F5.6, 1/640s, ISO 200

E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F2.0, 1/10s, ISO 320, AIノイズ除去
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F4.0, 1/1250s, ISO 200
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
E-M1 Mark III + LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II
25mm, F5.6, 1/30s, ISO 200, AIノイズ除去

最後に記事内の「解像度・解像力」に関して、下記の記事を参照いたしました。マイクロフォーサーズの標準単焦点について、詳しく比較されているので、ぜひご参照ください。